森英恵さん、夢をありがとうございました。
世界で活躍する日本人ファッションデザイナーの先駆者だった森英恵さんが11日、死去されました。当社の事務所が青山にある頃、表参道の「ハナエ・モリビル」前でお会いしたことがあります。２００９年頃になりますが、白いスーツを着られてイベント中だったようで、お年を召されても、さすがに素敵な方だなと思ったのを覚えています。後で知ったのは、表参道の「ハナエ・モリビル」を去って、六本木に移転される時期だったようですが、内心は寂しさで一杯だったのではないでしょうか。ハナエ・モリビルは表参道のランドマークでした。
約70年におよぶデザイナー人生でこだわり続けられた信条は、「日本人としてのルーツと品格」だったそうです。「人間はどこから来たかが問われる。ルーツがあるからこそ新しい世界に展開できる」と。
私はハナエ・モリビルにはよく出かけていたので、色々な思い出が浮かんできました。９６歳大往生ではありますが、大変悼まれます。
森先生は、日本人で唯一のパリのオートクチュールデザイナーでした。今後こういう方が出てくるでしょうか。心からお悔やみを申し上げます。
田中真由美